※今回の記事は『名探偵ピカチュウ』公開日にfusetterにて綴った内容をブログ用に加筆・整頓したものです。
ここから先は『名探偵ピカチュウ』(日本語吹き替え版)の感想、ネタバレを含みます。未見の方は踏まないようご注意下さい。
私とポケモン
まず初めに、どんな人によるレビューなのかを知っていただきたいので簡単にポケモンとの過去を振り返ってみますね。
ゲーム編
まず、ゲーム本編は赤緑青黄、金銀クリスタル、FR/LG*1、DPPt*2、HG/SS*3、BW*4、BW2のシリーズはプレイしてます。
ルビサファエメだけ飛んでて、XYはメガシンカというシステムが無理すぎて(後述します)ジムバッジ1つ目で離脱。そこから先は方向性の合わなさを感じたので以後のシリーズは未プレイです。本編以外だとポケモンレンジャーだけやってます。
アニメ編
続いてはアニメ、通称アニポケ。こちらもゲームとほとんど同じで初代〜BWシリーズまで見てました。アニメのルビサファは何となく見てたけど、ハルカが苦手でな…。
同世代が電王とかで盛り上がってた頃、テレ東のニチアサにやっていたアニポケの再放送&ポケモン関連の最新情報を届ける、ポケモン版おはスタ的な番組を毎週見てました。
まだ番組サイト生きてる…。ポケスマまでは確実に見てたなぁ。劇場版のことをピカチュウ・ザ・ムービーと言いたがる面倒くさいヲタク。何故ならDVD-BOXがその名称だったから。
そんなBOXを買った最大の理由は『ミュウツーの逆襲』が好きだから!ポケモンの劇場版シリーズ内で、とかアニメーション映画内で、とかではなく全ジャンルの映画の中で最も好きな作品が『逆襲』です。故に人間のエゴでポケモンを強制的に進化させる「メガシンカ」というシステムが全くもって理解できず、XYで博士にその話題を振られてから先はプレイをやめました。
あと一つの世界線にミュウとミュウツーは一個体ずつという考えなので、『ゲノセクト』もダメでした。そもそも、何故あの作品に別の人を声優にしてまでミュウツーを出す必要があったのか…。
これまでの関係性をあらためて綴ってみましたが、なかなか重いなw
ということで、そんな強火な市村ミュウツー担のアラサー♀による『名探偵ピカチュウ』の感想です。
まず始めにミュウツー担として
とりあえず、ミュウツー担としての話から始めさせてください。
冒頭、いきなり施設に閉じ込められたツー様で変な声が出そうになりました、ごめんなさい。 が、市村さんじゃないことはその時点で分かったので、いやあんた誰やねん?ではありました。*5
施設の研究員として林原めぐみさんが後半から出てくるのですが「ミヤモトちゃん…*6」と胸が熱くなってしまう「逆襲」推しの自分にちょっと引きました。いや、ミヤモトちゃんの声を担当したのは林原さんではないんですけどね、思い出しちゃうよね。
そんなラジオドラマ『ミュウツーの誕生』のシナリオは上記サイトから読めます。筆者は今は亡き、『ミュウツーの逆襲』監督の首藤剛志さんです。
作品からにじみ出る製作サイドのポケモン愛
正直、ポケモンが好きだからこそ実写化が発表された時には全く行く気になれなくて、竹内涼真くんが吹き替えをやることと、ワールドプレミアにも初日舞台挨拶にも当選したことが、劇場に足を運ぶ最大の理由となったわけですが、結論としては日本語吹き替え版で見てよかった!です。
アニメやゲームでポケモンを通ってきた人ほど、描かれる世界観に引き込まれると思います。製作側の愛がすごい。深い。ちゃんと「日本で生まれ、愛されたポケモン」を分かっている方々の手で作られてると感じました。
例えばモンスターボールのモーション、プリンの歌、自然界とライムシティのそれぞれの世界で生きているポケモンたちの生態系などなど…。プロモーションでは赤緑や金銀のポケモンたちが中心に取り上げられていますが、ゲッコウガやらヤンチャムやらの新しめのポケモンも多く登場していました。
日本語吹き替えキャストについて
ピカチュウ役に西島秀俊さんがキャスティングされたこと、公開当日まで発表されなかったことの2点は色々と考えてみても、どうしてなのかが正直分かりません。
声の演技、何本かやっている(劇場によってはまだ上映中かもしれない実写ダンボの件があるから伏せられてた?)とはいえ、予告で言われている「中身はおっさん?」のイメージには程遠い、綺麗な中年の声なんですよね。ポケモン界のおっさんといえば、カツラとかサカキみたいな厳つさが欲しいわけですよ。キョウもいいよね。*7
ちょうど「きのう、何食べた?」でモノローグを聞き慣れてきたところなので尚更。スーパーでお買い得なもの探して、残り物も含めてうまいこと夕飯作ってくれそうなピカチュウ。もっとピカチュウの見た目とギャップがあるおっさんで聞いてみたかったなぁと。おじさん俳優好きなので、余計にそう思います。渋さが欲しい。
ティム役の竹内涼真くん。ちゃんと応援し始めたのは本当に最近ですが、ファンでありながらも「洋画の俳優吹き替えにキャスティングされること」に対しては不安がありました。 好きな人でも下手な時は下手だなと認めるタイプ*8ですが、今回の吹き替えに関しては「勝手に変な心配してごめんなさい!!!」というのが率直な感想。
アクションが多くて、いわゆるセリフではない息遣いとか大声とかあったりするんですが、声優がダメな人ってそういうところがとにかくダメだったりするじゃないですか。*9
確かに冒頭のシーンはめちゃくちゃ竹内涼真と梶裕貴の会話で、ちょっと大丈夫かな?と思うところもあったんですが、物語が進んでポケモンたちが身の回りにいることが当たり前の世界になる頃には、すでにティムの声としてなじんで気にならなくなってました。
マーベル作品好きで色々な洋画の円盤も持ってるだろうから、研究したんじゃないかな。俳優さんがアニメ声優をやる時にありがちな*10、本来の声を自然体で出すとかではなく、ワザとらしいところはワザとらしく、基本的には1人の人物でありながらも、その心境や自分が置かれた状況に応じたメリハリのあるキャラクターの変化を感じられました。
Twitterで検索するとマイナスの意見もあるんだけど、具体的に書かれてないのでダメだと思ったポイントを聞いてみたい。
ティム下げ、ピカチュウ上げがセットになってるのをよく見たので、そういう感想に至った方とはそもそも根本から合わないのかもしれないけど「ポケモン作品に登場する人間のキャラクターっぽさ」みたいなものを私は感じました。
アニポケ世代へのご褒美キャスト
日本語吹き替え版で楽しみにしていたことの一つに「英語で喋る渡辺謙の日本語吹き替えを渡辺謙本人が担当している」というのがあったんですが、いざ見てみたらアニポケでロケット団を演じている三木眞一郎、林原めぐみ、犬山イヌコのお三方が登場しているのが胸熱すぎてですね…泣
三木さんはめちゃくちゃ三木さんっぽい役で、ビジュアル見た瞬間から三木眞っぽいな〜と思っていたら、イメージしてたままの声で喋り出したのでズッコケそうになりましたw 林原さんも出るんじゃない?と思っていると、前述している通りにミュウツーがいる研究所で登場。
この2人が出ているは犬山さんも出てるんじゃ?と思うもそれらしいキャラが掴めないままエンディングへ。まさかの前半にしか登場しないティムのおばあちゃんでした!分からなかった〜。
正直、1回見れば十分だよねと思ってたんですが、ポケモンと共存する人々が暮らす街の細かい描写や、アニポケ世代には嬉しいポケモンたちの吹き替えを確認するためにもリピートもありだなと考えているところ。その前にエンドゲームまで頑張らないとなんですけどね\(^o^)/
全体を通して
最後になりますが、私が思うこの作品で一番苦しかったポイントは本筋の弱さでした!ゲームの名探偵ピカチュウは未プレイなので、どれくらいシンクロする要素があるのか知らないんですが、予告だけ見た段階から「これピカチュウの中身が行方不明の父親なんじゃね?」と勘ぐってしまったので、その後はもう答え合わせといいますか…笑
それ以外の部分の脚本はあれこれあって面白かったんですが、話が動き始めるきっかけの根本を早い段階で勘ぐってしまい、ミスリードされることもなく順調に確信を得ていくことになるので、その点が少し勿体なかったかな。
脚本の全体の流れとしては個人的にズートピアより良く出来てたと思ってますw
最後に、公開から1週間が経った今朝、Twitterで見た記事を紹介させて下さい。
ロブ監督の思い、作品からも感じましたがこのインタビューを読むと余計に深みを感じます…。2回目は作中の特効を肌で感じられる4DX版で観に行くつもりです!