JR有楽町駅から徒歩3分、有楽町マリオンの9階に2つのドームを持つプラネタリウムがあることはご存知でしょうか?今日は東宝系の映画館「日劇」があった場所に2018年12月にオープンした「プラネタリア TOKYO」で、『星の美術館』という新たなプログラムを体験してきました。
お目当ては自分で選べるオーディオガイドを、自担の風間俊介さんが担当されていること。「いやいや、『自分で選べるオーディオガイド』ってどういうことよ?」と思われた方もいらっしゃるかと思いますので、まずは作品の概要から紹介させてください。
- 『星の美術館』とは
- プラネタリアTOKYOの入退場について
- 『星の美術館』を観賞する際の流れ
- 風間俊介さんによる「ドラマチックなギリシャ神話」の感想(ネタバレあり)
- 気になっていたことと分かったこと
- 今後の展開について
『星の美術館』とは
このプログラムは、来場者自身が聞きたい星空解説を自由に選択し、持参したスマートフォンとイヤホン(ヘッドホン)で音声解説を楽しむことができるプラネタリウム作品です。ナレーションとテーマはそれぞれ以下の通り(敬称略)。
「ドラマチックなギリシャ神話」風間俊介
「笑える!和な星座解説」すゑひろがりず
「天文学者が語る星空解説」縣秀彦(国立天文台准教授)
「星座初心者にぴったり」葉山翔太
「小学生も楽しめる星空解説」能登麻美子
約40分の上映時間の中で、自分の聞きたいプログラムを3本選び、プラネタリウムの投影と合わせてオーディオガイドに耳を傾ける、というシステムになっています。通常は上映日3日前の0時からチケット購入が可能になるそうなのですが、現在は上映当日の0時から上映開始の1時間前までオンラインで、現地では窓口もしくは自動券売機では当日の10:30からチケット購入できるようになっています。
LINEのアカウントで友達になると、アンケート回答でチケット代が20%オフになるクーポンを貰うこともできるのですが、今回は初日ということもありオンラインで事前にチケットを購入して現地に向かいました。
プラネタリアTOKYOの入退場について
有楽町マリオン1階の阪急メンズ東京側エレベーターで9階に上がると、プラネタリアTOKYOの入口が見えてきます。入場時にはサーモグラフィでの体温測定とアルコール消毒を行いますが、実は館内へは自由に出入りが可能です。というのも、敷地内にあるショップやカフェは、プラネタリウムのプログラムを鑑賞しない人でも利用することができるから!
元映画館の名残なのか、ロビー奥には個室数の多い女子トイレが2つあるので、丸の内ピカデリーでの映画を観る前にこちらに寄って…という過ごし方もありなのかもしれません。ということで、実はこの日のための事前確認&セーラームーンとのコラボ企画の内容チェックを兼ねて、直近の週末に下見も済ませていました。
来週に向けての予習なのか💖ポストカードを貰いに行ったのか🌙ネイルの現物を確認しに行ったのか💅 pic.twitter.com/ifsuM21a7i
— にあぽん (@imagicaln) 2021年2月6日
もちろん、かざぽんのオーディオガイドを聴くためには『星の美術館』のプログラムに入場するためのチケットを購入しなければならないわけですが、「とりあえずフライヤーだけ貰いたい」みたいな時や、カフェのメニューだけ楽しみたい時などにフレキシブルに入退場できるのは嬉しいですね。
『星の美術館』を観賞する際の流れ
まずは大前提として、観賞する回のチケットと充分に充電したスマートフォン、そして自分のイヤホンを入場前に用意しておきましょう。『星の美術館』が上映されるのは2つあるドームのうち、多目的デジタルドームシアターとしてドーム内での飲食も可能なDOME1。こちらへの入場準備が整うと館内にアナウンスが流れます。
チケットに記載された上映内容の確認、ならびにQRコードを読み込んでオーディオガイド再生用のURLへのアクセスができるかどうかのチェックをしてからドーム内へ。DOME1はいずれも一般席ですが、座席は事前指定制なので急ぐ必要はありません。クッション席は背面部分に座席番号が付いているので、そちらを確認しましょう。現在は利用可能な席数を制限しており、使用できない座席には目印が付いているので、自分が予約している席の判別はしやすいのではないかと思います。
入場したDOME1には、すでに『星の美術館』というプログラムの名称を彷彿とさせる、額縁に入った星座たちなどが投影されています。またドーム内の正面に位置するスクリーンには、このオンラインでの音声配信のために提供されている館内のWi-Fiに関する案内などが流れていました。ちなみに、この入場時の投影は本編終了後には映し出されないので、上映前に堪能しておきましょう。
QRコードを読み込んでアクセスしたオーディオガイド用のURLには、上映前のテスト用の音声も用意されているので、イヤホンの音量調整などは本編が始まる前に行うことが可能です。上映が開始してから焦ることがないように、余裕をもって入場してしっかりセッティングまで済ませておくのがベターですね。
風間俊介さんによる「ドラマチックなギリシャ神話」の感想(ネタバレあり)
ここからは、かざぽんこと風間俊介さんによる「ドラマチックなギリシャ神話」というオーディオプログラムに関するお話を。自分の耳で聞くまでは知りたくないよ~!という方はこのパートは読み飛ばしていただいたほうが良いかもしれません。ご注意ください。
それでは、ここからオーディオガイドの内容にも少し触れながらお話を。今回の『星の美術館』では、常に春の空に輝く5つの星座が投影されています。「ドラマチックなギリシャ神話」のプログラムの中では、この5つの星座の中から「うしかい座」と「おとめ座」にスポットを当てて、2つの星座のモデルになったとされる神話についてのお話を聴くことができます。
まず「うしかい座」については、諸説ある由来の中から天を支える巨人・アトラスにまつわる神話を紹介。このパートで何よりもドキッとしたのが、ナビゲーターだけではなく紹介する神話に登場する神々をも、かざぽんが演じるということ!
絵本の読み聞かせをイメージしてもらえると良いのかもしれないのですが、特に大きな体を持つアトラスを演じる部分では、これまでにあまり聞く機会のなかった太く低めの声を披露しており、ギリシャ神話の英雄・ペルセウスとしての爽やかなイケメンを彷彿とさせる声以上に、斬新さという意味で非常に印象的でした。
続いて紹介するのは「おとめ座」の神話。12星座の1つとして、その名前には親しみのあるおとめ座ですが、「乙女」というのは誰のことなのか、そういえば改めて考えたことがありませんでした。こちらも先ほどの「うしかい座」と同様、神話の登場人(?)物たちをかざぽんが一人で演じ分けするのですが、なんとこの後半だけでナビゲーター以外に4役を、しかもその中の2役は女性を演じるのです!
VTRに登場する女性の心の声を代弁する、といったナレーション的な形とは違って、声だけで神話の物語を表現するとあって、こちらも今までに聞いたことのない声色。また、残りの2役はディズニー映画『ヘラクレス』でもおなじみの冥界の王ハデスと全知全能の神ゼウスという、ギリシャ神話には欠かせない神々の声として、左右のイヤホンから2者のやり取りを演じる1人の俳優・風間俊介の声のお芝居を堪能することができるのです!すごい!たまらない!ありがとう!*1
しかも、このおとめ座にまつわる神話は、ハデスが農業の女神であるデメテルの娘、ペルセポネに一目惚れをし、冥界へ連れ去ってしまうということから展開し始めるのですが、そんな理由もあって、渋い声だけどよくよく聴くとすごく甘いことを言ってる部分が発生していてですね…。これは…事件ですよ…。いや本当に、1回目に聴いた時には思わず変な声が出そうになりましたもん。危なかった…。さすがは「ドラマチックなギリシャ神話」なだけありますわ…。
1ループ約10分なので2つの星座についてのお話しか聴くことができませんが、今回は春の星座を見ながらのオーディオガイドだったので、今回の上演が好評であれば夏の星座や秋の星座、そして冬の星座と異なるバージョンのものにも期待ができるのでは?と、開始初日早々に期待が高まっています。あと、元から天文もギリシャ神話も大好きなので、そこにジャニーズ部門での最推しであるかざぽんが重なるというのが最高すぎて。
今回の記事を書くにあたり、あらためてギリシャ神話と星座に関するエピソードを辿ってみたのですが、「ドラマチックなギリシャ神話」で語られていたのとは全然違った説も存在していたりと、その様々な方面から現代にまで伝わってきたというロマンに、あらためて神話の面白さを噛みしめています。
気になっていたことと分かったこと
さて、このパートには上映本編に関するネタバレはありません。ここでは現地に行ってみて分かった、事前情報だけでは判断しきれなかったことについて、まとめています。
グッズについて
こちらは元からあまり期待していませんでしたが、上演開始となる初日の時点では特にこれといって今回の演目に関するグッズの発売はありませんでした。ただし、エントランスと館内に『星の美術館』のフライヤーがあり、こちらは2021年になって数年ぶりに更新された宣材写真…ではなく、もう何年このままだったか思い出せないぐらいにはずっと変わっていなかったおなじみの写真が使われています。このビジュアルが使われる、最後の印刷物かもしれないと思うと感慨深い。
ちなみに館内のショップ「GALLERY PLANETARIA」には、プログラム内で使われている楽曲を集めたCDの販売も行われていました。5つのオーディオガイドのうち、3つを選んで聴くタイプのプログラムということで、将来的には全てのプログラムを聴くことができるCDが出たりしたら、会場に足を運べない方々にも楽しんでもらえるかと思うのですが、どうでしょうかね。10分×5種類なら、少し短めのアルバムとしてちょうどいいぐらいの収録時間のようにも思えるのですが…。
同じガイドを複数回聞くことはできるのか?
40分間で3種類のガイドを自身の端末で聴くことができる、というのが『星の美術館』のプログラムでのセールスポイント。しかし、声だけでいくつもの役柄を表現するという、滅多にない機会ということもあって「もう一度かざぽんのオーディオガイドを聴きたい!」と思う方もいらっしゃるはず。
何より、私自身が「2回目はもっと冷静に聴いて、なるべくお話を頭の中に叩き込んでおきたい」と思ったので、最初の再生音声が終了して2周目に入る際も、3周目に入る際も全て「ドラマチックなギリシャ神話」で楽しませていただきました。ということで、初日の時点では同じ演目のループは可能、という状況でした。*2
客層について
Twitterで今回の上映に関するツイートを調べていると、「気になるけど、1人で行くのはちょっと…」という声。確かに、公式アカウントさんが投稿してる画像が画像だから、気になる気持ちは分かります。
いよいよ来週2/10(水)から上映開始‼️😍
— コニカミノルタプラネタリア TOKYO (@PlanetariaTokyo) February 4, 2021
スマートフォンをオーディオガイダンスに見立て、お手持ちのイヤホン(ヘッドホン)で星空解説をお楽しみ頂く『星の美術館』🤳🎧#風間俊介 #すゑひろがりず #縣秀彦 #葉山翔太 #能登麻美子 がナレーションを務めます⭕️
詳細👇https://t.co/eGAVc7jAlg pic.twitter.com/IehDtlm5JT
ただ、DOME1は館内の飲食物を持ち込むことが可能ということもあり、現在はチェア席もクッション席も1席開けて座ることになっているので、1人で行こうが複数名で行こうが、上映中は選んだオーディオガイドに誘われながら、自分だけの星空を堪能することになります。
日頃から銀座エリアでソロ活動をする機会の多い私としては、土日だろうが平日だろうが、1人で来場している人がいてもいなくても気にならないな、という印象でした。映画館とかと同じですよ。とはいえ、TDRどころか海外のディズニーリゾートにも、初めて行く国でも単独で行くことが苦じゃないタイプなのが私なので、その辺りの価値観をどう見るか、というのはあるかもしれませんが…。
これも現地で偶然フォロワーさんに会うことができたからこそ、夜のカメラキャストに素敵な写真を撮ってもらえたりしたわけですが、元々は一人で地味ハロウィーンしながらインするつもりでしたからね。笑
ちなみに下見に行った週末も、人手はかなり緩やか。ショップや館内で『セーラームーンEternal』のコラボレーション企画が行われてはいますが、1人でサクッと様子を見に来ているような感じの方が多く、ロビーのソファも全体の1割が利用されてるかどうかというぐらいでした。
新型コロナウイルス感染拡大防止策について
これに関しては公式サイト内にも特設ページが作られています。座席は事前指定ですし、『星の美術館』が上映されるDOME1は席の間隔を開けて座ることになるので、観賞中の人との距離は保たれています。
人によって何がどんなレベルで気になるのかというのは個人差があるかと思いますが、上映回数を減らしてドーム内の清掃にかける時間をこれまでよりも長めに取っていたりと、具体的な対策の内容を知ることで少しでも不安を取り除くことができればと思います。
今後の展開について
都内3か所に展開している、コニカミノルタのプラネタリウム。『星の美術館』は有楽町の「プラネタリアTOKYO」で上映が開始したプログラムですが、池袋サンシャインシティの「満天」や東京スカイツリータウンの「天空」では一部のプログラムが全館共通で上映されていたりします。
また、コニカミノルタのプラネタリウム製品に関するページを確認していたところ、「新規直営プラネタリウム館の事業運営・支配人業務」という求人募集が!この募集内容から、どうやら愛知県名古屋市西区に新たにコニカミノルタ直営のプラネタリウムがオープンする予定がある様子。
『星の美術館』は持参したスマートフォンとイヤホン/ヘッドホンでオーディオガイドを聴くことができるので、特定の設備がなくても上映が可能な新時代に合わせたプログラムなのではないか、ということを素人考えではありますが勝手に感じています。全国でもプラネタリアTOKYOのみでしか見られない、というのは本当にもったいないほど、かざぽんの6役が贅沢に味わえる作品なので、今後少しでも多くの人がこのプログラムを体験できる機会が生まれればいいな、と思っています。
2月18日からは「星空パスポート」という各種プログラムやショップでの買い物をお得に楽しめる年パスのようなシステムが始まるということなので、今後リピートしたい時にはこちらの活用も視野に入れたいです。