いつものレビュー形式とはちょっと違った角度からコスメに関するお話を。洗顔料や化粧水、日焼け止めなど、今や性別を問わずに生活必需品という位置付けにもなっている化粧品の数々。
固形石鹸のように、使い終わりと共にそのものが形をなくしてしまうもの以外は、どうしても使用済みの容器が手元に残ってしまいますよね。そんな使い終わった化粧品の容器を、ただゴミとして捨てるのではなく、ポイントやコスメサンプルなどに交換してもらえるブランドやショップがあるのはご存知でしょうか?
かなり前に、アインズ&トルペが実施していたコスメの下取りキャンペーンを紹介したこともありましたが、今回は2021年5月時点で「使用済み容器の回収」を実施しているブランドに焦点を当ててみたいと思います。
- SK-II「Mottainaiプロジェクト」
- N organic「エコプラグラム」
- メルヴィータ「エコ10days」
- ヘレナ ルビンスタイン「エコドロップステーション」
- キールズ「リワードシステム」
- ヴェレダ「エコポイントサービス」
- その他の容器回収を行っているブランド
- やってそうでやっていない意外なブランド
SK-II「Mottainaiプロジェクト」
まずは日本を代表するコスメブランドの一つである、SK-IIが実施している取り組みから。この「Mottainaiプロジェクト」ですが、実はSK-IIの公式サイトには情報が掲載されていません。というのは、このプログラムを実施している店舗が限られているから…。
私の場合、ちょうど手元に使い終わった「ジェノプティクス オーラ エッセンス」と、もう少しで終わりそうな「フェイシャル トリートメント エッセンス」があったので、これだけしっかりした容器だけど、回収とかしてないのかな?と調べていた際に、上記の大丸・松坂屋のコスメ情報を発信するブログに辿り着いたことから、その活動を知りました。
情報が少なかったこともあり、まずは完全に使い切ったジェノプティクスの容器だけを持って、仕事帰りに大丸東京店へ。SK-IIのカウンターにて、使用済みの空き容器を回収していただきたいという旨をお伝えして実物を取りだすと、対象アイテムであることをお店の方が確認した上で、フェイシャルトリートメントエッセンスのサンプルボトルを回収する容器と引き換えていただきました。
エコポイントを貯めて景品と引き換えできるブランドなどもありますが、こちらは不要な空き容器を持っていくことで、その場でリターンが手元に残るので非常にお手軽です。プログラム名などで調べてみたのですが、現時点で実施が確認できたのは大丸東京店と大丸神戸店のみ。
SK-IIの全ての商品が対象というわけではなく、「フェイシャル トリートメント エッセンス」「フェイシャル トリートメント クリア ローション」「ジェノプティクス オーラ エッセンス*1」「ジェノプティクス スポット エッセンス*2」とアイテムも限られているので、活用できる場面が限られてはいますが、これらのアイテムを使っていて回収を行っている店舗が近くにあれば、活用する価値はあると思います。
N organic「エコプラグラム」
直営店のみでの実施ではありますが、N organicでは他ブランドを含む使用済み化粧品容器の回収を行っています。公式サイトに具体的な額面は出ていませんでしたが、調べてみたところ持ち込みの当日から使える500円オフのクーポンをいただけるとのこと。
現在、直営店は有楽町マルイの1階にあるのみとのことなので、こちらも対象店舗がかなり限られてはいますが、自社以外のアイテムでも回収を行っているという点から「エコに向き合うきっかけづくりをしたい」というブランドの想いが伝わってきます。
何円以上の買い物から利用できるクーポンなのかという点が確認できていないのですが、幸いにも有楽町エリアは普段からよく足を運んでいる一帯なので、回収してもらえそうな空き容器が出た時には実際に空き容器の持参とクーポンの詳細確認を行ってみたいと思います。
メルヴィータ「エコ10days」
オーガニックコスメブランド「メルヴィータ」の直営店では、毎月21日から30日を「エコ10days」と称して、他社製品やメイクアップ製品を含む化粧品空き容器の回収を行っています。
メルヴィータの場合は直営店全店で開催しているようなので、先述したSK-IIやN organicと比べると、参加しやすいプログラムなのかなと思います。東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡には店舗があるようなので。
2013年から開始しているというこの活動では、メンバーシップポイント100ポイントがプレゼントされるとのこと。自社製品以外であっても、回収した空き容器を種類ごとに分別し、再生原料へのリサイクルや熱利用などに活用していとのことで、活動の内容に具体性があるのも良いプロジェクトだなという印象です。
ヘレナ ルビンスタイン「エコドロップステーション」
続いてはデパコスの中でも高級路線な印象があるヘレナ ルビンスタイン。こちらは2021年4月から日本国内の23店舗にエコドロップステーションを設置し、自社製品のパッケージを回収、再利用する取り組みが始まりました。
対象となる店舗は下記の通り。百貨店に入っている店舗はほとんど入っているのではないでしょうか。新宿エリアがめちゃくちゃ多いな…。
- 日本橋三越本店
- 日本橋タカシマヤ
- 松屋 銀座本店
- 小田急百貨店 新宿店
- 伊勢丹 新宿店
- 伊勢丹会館
- 京王百貨店 新宿店
- 新宿タカシマヤ
- 東武百貨店 池袋店
- 西武池袋本店
- 玉川タカシマヤ
- 横浜タカシマヤ
- そごう横浜店
- ジェイアール名古屋タカシマヤ
- 松坂屋名古屋店
- 京都タカシマヤ
- 阪急うめだ本店 2階・7階
- 大丸心斎橋店
- 大阪タカシマヤ
- あべのハルカス近鉄本店
- 大丸神戸店
- 岩田屋本店
このプログラムでは最後まで使い切った自社製品のパッケージを持参することで、1アイテムにつき30ポイントが付与されるとのことです。ヘレナのポイントプログラムは通常100円(税抜)につき1ポイントが加算されるプログラムということなので、30ポイント=3,000円のお買い物に相当するということですね。
キールズ「リワードシステム」
こちらも自社製品が対象となる空き容器の回収プログラム。一度に持参する空き容器は最大10個まで、また洗った容器を持参するようにという注意などがまとめられたページが用意されています。
空き容器1つにつき、カードに1スタンプが押印され、スタンプの数に応じて特別なプレゼントと交換してくれるというシステムとのこと。キールズの店舗で購入した場合にスタンプカードが付与され、2枚目以降はスタンプ満了後の購入時に発行されるそうです。こちらはサンプル、バーコードのない商品などスタンプ対象外のアイテムもあるとのこと。
スタンプの数に応じたプレゼントとの交換ということで、キールズのアイテムをライン使いしている場合には参加しやすいプログラムなのではないでしょうか。
ヴェレダ「エコポイントサービス」
メルヴィータと同様、マッサージオイルなどの印象が強いヴェレダでは「ヴェレダ・ジャパン」のシールが貼付されている自社製品の使用済み化粧品容器の回収を行っています。、また、ヴェレダ直営店で購入したnaturaglacéのメイクアップアイテムや、スターターセットなどの小さな容器も回収対象とのこと。
雑貨品は回収対象外、製品によっては回収できない容器もあるんだそう。1つの容器につき1エコポイントが付与され、20ポイント貯まると「ヴェレダミニサイズ商品2つ」か「トリートメント・オプション」のいずれかをプレゼントという内容だそう。エコポイントはマイバッグ持参でも貯められるとのことで、ゴールまでの道のりは少し遠いですが、リターンの内容が他社と比べても充実しているように思います。
その他の容器回収を行っているブランド
思っていた以上に空き容器の回収を行っているブランドが判明したので、ここからは名称と関連するリンクのみで駆け足のご紹介。書こうと思った時点で知っていたよりも、深掘りしてみたら遥かに多かった!
イニスフリー
空き容器1個あたり50ポイントを付与。1か月あたりの最大回収数量は8個と上限があるそうです。
LUSH
回収対象の空き容器を5個持参すると、フレッシュフェイスマスク1個と交換できます。LUSHは業界の中でも早くからこういった取り組みを続けている印象です。
ドクターシーラボ
今回紹介した中で、店舗ではなく指定の送付先へ発送することでポイントが付与されるプログラム。送料は自己負担となりますが、自社製品の空き容器1点につき100円相当のポイント付与のため、まとめて送るとよりお得に活用できるとのことです。
やってそうでやっていない意外なブランド
特定のブランドを下げるみたいに感じてしまったら申し訳ないのですが、こういった取り組みを調べていく中で、製品のラインナップなどから実施していそうなイメージなのに、意外にもそういった取り組みを行っていないブランドを見つけてしまいました。
そう、2020年に出会ったスキンケアアイテムの中でもマイベストコスメに入る*3、フェイスポリッシャーが素晴らしかった、あのSABONです!「環境に優しい製品づくりを大切にしている」とあるのですが、上記リンク先では『SABONのガラス瓶をリユースして生活を楽しもう』という内容で、使用後の容器はそのまま手元でどうにか楽しんでね、という姿勢のようです。いや、フェイスポリッシャーもヘッドスクラブも場所を取るガラス容器なので、使い終わったら邪魔なんですよ。(言い方)
この春にフェイスポリッシャーの抹茶の香りが出るということで、使用感をとても気に入っている身としては購入を検討したのですが、いやちょっと待てよと。一つ目を使い終わったのはいいけど、これだけの容器で作っているのに回収して未来の商品に活かす活動などはしてないのかと。
資源ごみとして出したり、他社製品もOKなブランドで回収してもらうことで、環境への配慮はできそうなのですが、これだけ多くのブランドが自社製品の空き容器回収に取り組んでいる中、ちょっと路線の違う活動なんだなぁと思ったら、ちょっと購買意欲が削がれてしまった…という個人的な話でした。
もうすぐ使い切れそうな化粧品がいくつかあるので、まずは他社製品もOKで回収対象期間が設定されているメルヴィータのお店に持って行ってみようかと思います!