Instagramにレポートを投稿して、すっかりブログの方にも書いたつもりになっていたのですが、10月の上旬に利用した八重洲の老舗の鰻料理屋さんでのお食事について、思い出しレポをしたいと思います。
日本橋から東京駅に出る時にこのエリアを歩く機会がそれなりにありますが、こんな路地裏があることも、そこに木造の古民家があることも今回初めて知りました。
お店の情報
八重洲の路地裏にある鰻料理のお店で、私が10月に利用したこの建物は老朽化のため、現在は建て替え工事が行われている最中とのこと。11月中旬からは東京都中央区日本橋3丁目3−14の住所で仮店舗営業が開始しています。
工事が開始するまで残り僅かというタイミングに、歴史ある建物の趣と共に美味しいうなぎ料理のコースを味わえたことは、とても良い経験になりました。
今回はOZmallで紹介されていた「八日京お月見フェス in YNK」という、八重洲・日本橋・京橋のエリアを跨いで行われているキャンペーンがきっかけで、期間限定のお月見コースを注文。コースは事前予約制なのですが、イベントサイトで紹介されている内容がお店の公式サイト&予約サイトには記載がなかったので、近しい利用時間になると思われるコースを選択した上で、備考欄に「お月見コースの利用を希望」と記載する形で予約しました。人数もサイト上では2名からの受付だったので、1名での利用ということも添えて。
店内の雰囲気
海外旅行もディズニーリゾートもカラオケもホテル宿泊も、1人で気兼ねなく満喫できるタイプであることは、普段からこのブログに遊びに来ていただいている方々ならご存知かとは思いますが、鰻料理のお店は利用する機会そのものが少なく、老舗のお店ということもあって、入店前は久しぶりにちょっと緊張…。
入店して名前を告げると、2階の座敷席へとご案内いただきました。2階にはいくつかのお部屋があり、その中のうち掘りごたつタイプの2人席が4つある座敷が今回のポジションでした。同じエリアには私より早い時間からコースを利用している女性2人組と、遅い時間からアラカルトで利用する男性2人組だったので、退店間際に他の人がいないタイミングで、その雰囲気を撮ってみたのがこちらです。
右端に微妙に店員さんが見切れてしまって、ちょっと怖いことになってしまっていますね。笑 もう今はその場所にないのですが、夏休みや年末年始になるとお泊まりをしていた、父方の祖父母の家みたいな雰囲気があって、初めてなのに懐かしい気持ちになりました。建物の歴史と面積の都合上だと思いますが、階段が急で幅狭なのでお酒を飲んだ後に下るのは非常にスリルがありました。
オーダーしたもの
お店に置かれたメニュー表にも特に案内がなさそうだったので、事前にイベントのサイトでその存在を知らないとオーダーできないのでは?と思った「お月見コース」の内容を紹介していきます。メニューがないので、何がどのような順番で来るのかは事前に予想できず、次は何が運ばれてくるんだろう?とワクワクしながら、一皿ずつ味わっていました。
まずは先付として「鰻ハム」からスタート!10月とはいえ、まだ上着などなしでも過ごせるような温暖な気候な日だったのですが、ゆっくり味わいたいなぁと思ったので日本酒のメニューから良さそうな感じのものを熱燗でいただきながら(1杯目なのにw)味わいました。
鰻ハム、実物の「魚だなぁ~!」と感じる身の具合を伝えたすぎて、寄りで撮ってみた1枚。初めて出会う料理だったのと、脂ののった鰻を冷菜として頂くという考えがあることに、一品目から脱帽させられました。
続いては「お月見コース」における月見要素を担っている、トリュフが香るうずらの卵が特徴的な「うなきゅう」です。ルッコラや白髪ねぎといった香味野菜と前述のうずらときゅうりに鰻という、それぞれに個性がある素材が組み合わさっています。これを海苔で巻いてまとめて頬張る、という食べ方はとても日本的だよなぁと感じながらもぐもぐ。
月曜の夜でしたが、他の座敷にもお客さんいっぱいという感じで、一人ということもあってペースが早すぎたのか、次の料理が来るまでの時間を調整しながら食べなきゃ~と思っていた時に目に入った箸置き。お店の名前が入ったオリジナルのものと思われます。手作りっぽい釉薬のかかり方に味があっていいですね。
そんな時間の調整が功を奏したのか、次のお皿がやってきました。続いて登場したのは「う巻きと肝焼き」です。香ばしくほろ苦い肝の香りだけでも飲めてしまうな…とか考えてしまうあたり、私も大人になったんだなと感じたとか感じてないとか。
う巻きはこんな感じです。先付を含めて4品目ですが、こうして振り返ってみるとこの時点でも鰻の身を口にした量が、思っていたよりもありますね?同じ素材が主役となって、それぞれの皿で違った味わい方を楽しむタイプのコース料理は、これまであまりご縁がなかったので、新たな扉を開いたような感覚でした。
次にやってきたのは「くりから焼き」という串物。恥ずかしながら、これに関しては料理名も初めて聞く未知との遭遇だったのですが、とっても好みなやつでして!調べたところ、鰻を捌いた時に生じる切れ端の部分を串に巻き付けて焼いたもの、というのが定義なんだそうです。塩味をベースに、薬味で変化をつけて味わいを楽しめるのが、シンプルながら良かった~!
この串だけで飲みまくりたいな…と思うくらいにツボだったので、気付けば徳利が空に。2杯目は焼酎の水割りにしてみました。日本酒も焼酎もかなり種類が豊富で(ただし品切れている場合もあり)悩ましかった~!多分、選んだのは芋焼酎だったような気がします。さすがに約2か月以上前なのと見た目の特長がないので、断定はしませんw
お料理はまだまだ続きます。次に登場したのは「鰻ざく」です。涼し気なガラスの器に穂紫蘇も添えられた、まだ夏の余韻も完全には消えていない、秋との境目にちょうどいい存在感だった気がしています。
ラストのお重に向けて、箸休めの骨煎餅&漬物のお皿と肝吸いがやってきました。お重のごはんにはしっかりタレが沁みこんでいるので、お漬物はご飯のお供というよりは口の中をリフレッシュさせるための存在という印象を受けました。肝吸いは三つ葉が苦手だった私でも、それを感じずに美味しくいただくことができたことを記しておきます。
コースの最後を飾るのは、鰻1匹分を使用したイのうな重!ここまでに色々な調理法で味わってきましたが、やはり基本であり王道であり、鰻を提供するお店としての最前線にいるのが、うな重ですよね。卓上の山椒なども活用しつつ、焼き目や身の部分による違いを少しずつ味わいながら、最後まで美味しくいただきました!ご飯少なめなのがちょうど良い感じ◎
コースの最後にはデザートにプリプリに身が詰まったシャインマスカットも!輝きっぷりが銀杏みたいだけど、れっきとしたシャインマスカットです!笑 食事の最後にいただく甘いものまで、素材そのものが絶対的に美味しいものという感じで、大満足の内容でした。
アラカルトで気になる串物や鰻以外の川魚の料理を楽しんだり、お店が自信を持って提供しているコースで最初から最後までおまかせしたり、その時々によって異なる使い方ができそうで、自分へのご褒美やちょっと特別な食事をしたい時などに、また利用してみたいと思う、素敵なお店でした。
普段より少し良いものを食べることに対する価値観が同じ人と一緒に、ゆっくりじっくり味わいたいですね*1
鰻はし本 (うなぎ / 日本橋駅、東京駅、三越前駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.8
*1:詳細を残すつもりはないものの、ちょっと変わったお客さんがいて、ほんのわずかに同じ座敷内が変な空気になったことを、完全に忘れてしまわないように断片だけおく手法(?)