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世界のディズニーリゾートと風間俊介さんが大好きすぎて、2018年にJGC修行を決行。お気に入りのコスメや美味しいものについても語ります。イエベ春、骨格ウェーブ(プロ診断)です。

祝19歳!川﨑皇輝くん主演『ロミオとロザライン』東京公演の感想

川﨑皇輝くん、19歳のお誕生日おめでとう~!新たに歳を重ねてもまだ未成年。若い、若すぎる。ということで本日は、2021年7月9日(金)に初日を迎えた、川﨑皇輝くん主演舞台『ロミオとロザライン』を観てきたお話をしたいと思います。初日の他に、平日ソワレと祝日マチネの計3回行ってきたので、総合的な感想など。

ちなみに、東京千秋楽と大阪大千秋楽も応募はしていたのですが、ご用意されず。ロミロザ大阪大千秋楽の日は、ふぉ~ゆ~の『SHOW BOY』大阪公演も千秋楽で、それに気付いたのが「初SHOW BOY後」だったこともあって、まだ3階席の1列目があると知ってしまった私は光一さんソロコンに共に参加するお友達も誘って、新歌舞伎座で二度目の乗船をする権利を手に入れました。

『SHOW BOY』はいいぞ。(今日は『ロミオとロザライン』と『ロミオとジュリエット』の話です)

「ロミオとロザライン」について

『ベター・ハーフ』『イントレランスの祭』でかざぽんもお世話になった、鴻上尚史が作・演出のオリジナル作品。元となった戯曲はあるそうですが、今回の舞台とは登場する人物の設定が全く異なるとのこと。

稽古場での様子についてお話されています。ここ以外にもどこかのサイトにインタビューの様子が掲載されていて、「鴻上さんらしいなぁ」という発言があったような気がするのですが、どこだったかな?

舞台版におけるストーリーはというと…。

ロザラインは、ロミオがジュリエットに出会う前に恋していた女性。ロミオは、ジュリエットに出会った瞬間に、あっと言う間にロザラインのことを忘れたと言う。けれど、もし、ロザラインの気を引くために、ジュリエットが好きだというふりをしていたとしたら。そして演技だった恋が本気になっていったとしたら。残されたロザラインはどう感じるのか……。物語は、『ロミオとジュリエット』を上演する稽古場から始まる。ロミオとジュリエットの間に、いつの間にか、戯曲では名前しか出てこないロザラインが現れたとしたら。『ロミオとジュリエット』は、予想を超えた物語へと変わっていく。

当初、このイントロダクションを読んで抱いていたイメージでは、誰もが知っている『ロミオとジュリエット』と全く違ったストーリーが展開する、そんな物語を頭の中で勝手に想像していました。しかし、実際に蓋を開けてみると、そこにあったのは思っていたよりも「スタンダードな『ロミオとジュリエット』を中心に展開していく物語」でした。

「ロミオとロザライン」における『ロミオとジュリエット』という演目

※以下、演出内容やストーリー展開に関するネタバレを含みます。

今作「ロミオとロザライン」(以下:「ロミロザ」)において、主人公の川﨑皇輝くんは2役を演じています。「ロミオとジュリエット」(以下「ロミジュリ」)を上演する、という企画で初めての舞台の仕事で初主演を務める、北山修一という俳優が1役目。その「ロミジュリ」の演出を担当することになった、松谷亜希子(吉倉あおいさん)という女性演出家の”夢の中"で繰り広げられる「『ロミオとジュリエット』の物語にロザラインがもっと深く関わっていたら」という定義の上で展開していく「夢の中のロミオ」が2役目です。

とはいえ、ビジュアルや「ロミオとしての性格」が大きく変わるというわけではないので、初見の時は「ロミロザ」の世界でロミオを演じている北山くんと、夢の中の「ロミジュリ」に登場するロミオの違いを、最後まで明確に理解して観ることはできませんでした。

「ロミオとロザライン」初日のポスター

「ロミロザ」本編の中で、7人の「ロミジュリ」上演初日に向けて稽古を重ねていく役者たちの、開幕までの5日間を描いたお話ということもあって、作品内のシチュエーションと実際の状況が重なって感じられる初日に劇場に入れたことは、とても良かったなと思っています。そして、最後までの展開を知った上で冒頭から見直したいと感じたので、チケットを複数枚持っていたことも良かったな、とも。

初日と二度目の「ロミロザ」観賞の間に、天才小説家が描いたフィクション小説と、現実世界で起きている不可解な事件についての謎を追求していく映画『鳩の撃退法』を観たということもあって、2回目の観賞時には「俳優たちが演じているロミオとジュリエット」と「夢の中で展開する、ロミオとジュリエットとロザラインの物語」のどちらなのか、その差を意識しながらの観賞になりました。

「作中の現実世界」と「夢の中のヴェローナ」の境界線

(作中における)現実世界と夢の中に登場するヴェローナの人々の世界を区別する方法のうち、一つは「シャボン玉」の演出。スクリーンへの投影と舞台奥上部左右からのシャボン玉から始まるパートは、演出家・松谷が夢の中で見た世界となり、この世界線において松谷はロミオがジュリエットに出会う前に好意を抱いていた女性、ロザラインとして周囲の人々とやり取りをしていきます。

また作品の途中までは現実世界=出演する俳優たちがそれぞれ稽古着で登場、夢の世界=ヴェローナの人々としての衣装で登場するのですが、後半は「現実世界で本番の衣装を着てのゲネプロ」が始まるので、ちょっとずつ現実と夢との境目が判断しにくくなってきます。

「ロミオとロザライン」公演パンフレット

現実世界と夢の世界におけるキャラクターをそれぞれの出演者が最低2役は演じている点については、衣装や場面の切り替えがあるので初見の時点でも分かりやすかったのですが、「現実世界の演出家・松谷亜希子」と「夢の世界のロザライン」だけは一切のビジュアル面の差異がなかったので、その時に抱いている感情が松谷なのかロザラインなのかが判断しにくく(両者の感情が入り混じっているのを見せるのが意図だったのかもしれないですが)、例えばロザラインとして夢の中のヴェローナに存在している時には、眼鏡を外した格好で登場する、などの僅かな差があったらなぁ…なんてことを考えてしまいました。

気に入ったポイント

私がこの作品の中で最も面白さを感じたポイントは、ロザラインのことを考えすぎるあまり、自分とロザラインが置かれた状況を混同してしまう演出家の松谷のような人もいれば、「ロミジュリ」のジュリエットを役者として精一杯演じたいけど、それはあくまでもフィクションの世界におけるジュリエットになりたいのだという、元アイドルの蓮見なな(飯窪春菜さん)のような人もいて、「現実世界」と「夢の中のヴェローナ」においてシンクロしている部分の割合が出演者8人で全く違っている、というところでした。

皇輝くんが演じる北山は、元々は松谷の作品が好きで一緒に舞台の仕事をしたいとオファーをし、それに乗じて稽古中に「僕と付き合ってくれませんか?」と松谷に夜な夜な電話をかけてくるような俳優だった。しかし、本番直前に急に稽古が中止になったことをきっかけに、ジュリエット役の蓮見と役作りの一環として距離を縮めるはずが本当に惹かれ始めてしまい、これまで夢中になっていた松谷のことを放り出してしまったりする。

北山とロミオについてはかなり近い部分もあるが、北山を取り巻く人たちとロミオを取り巻く人たちとでは、それぞれ似ているようで物語のままというわけではない。北山のことを尊敬している後輩のようにも見えるベンヴォーリオ役男性俳優だが、実はそれ以上の感情を抱いているようでもあり…。

細かい部分を全て挙げることは難しいので、北山を取り巻く人のほんの一部分だけを紹介しましたが、「ロミオとジュリエット」に重なる部分もあれば、あの物語とは全く違った現実の世界での人間関係もあり、その別々の世界が複雑に重なり、絡まり合う構成が、とても面白く感じられました。あと、全てを作中の中で説明してしまうのではなく、あえてふんわりさせておいて観客が想像を膨らませられる余白があるのも、好きだなぁ。

気になったポイント

全体的な構成(『イントレランスの祭』と同様、本編とは切り離して受け取れるダンスのOPから始まる点も含めて)については、好きな世界観ではあったものの、細かい部分で気になるところもあったので、記録用として残しておきたいと思います。

まず、これは初日の公演で特に感じられたことなのですが、稽古パートと夢の中パートのどちらにおいても、とてつもないテンポ感で台詞が進んでいくので、キャラクターの感情を感じられにくい部分があったところ。これはジュリエットのセリフ部分で何か所か気になりました。公演時間が休憩なしの2時間という制約の中で、端折りながらも『ロミオとジュリエット』のストーリーを最後まで繰り広げなければならないので、シェイクスピア本来のセリフが与えられている人ほど、時間配分がハードなのだなとは思うのですが、主たる作中の「上演演目」がぞんざいに扱われているような気がしてしまって…。

「ロミオとロザライン」上演時間は休憩なしの約2時間

あと、これは今年の春にストレートの『ロミオとジュリエット』を東京グローブ座で観てしまったからに他ならないのですが、キスシーンをがっつりやらないのであれば、作中の「ロミジュリ」でキスシーンはフェイクにしよう、何故ならば…みたいなのが入っても良かったんじゃないかなぁと。

本気でジュリエットになろうとしている蓮見と、本気で蓮見のことを好きになってしまっている北山だったら、提案されてもOKすると思うので、周りの人たちが「今回の演目においてはさ…」とリアルに表現するのを止める、みたいな場面があった上でのフェイクだったら、もっとしっくり来たように思ってます。 

道枝ロミオが強烈に残ってるの、そういうジャニーズ的に厳しそうなシーンであっても、作者が描こうとしていたものに果敢に挑んでいたからというのがあるからなぁ。まぁ、これは同世代とかリアコのファンの方々からしたら、フェイクで良かった!と思えるところなんだって、分かるんですけどね。だからこそ、演劇の世界で生きる人たちが登場人物という点を活かして、そういう演出に至った理由を観てみたかったなぁというところです。まぁ、これも「余白」の要素の一つなのかもしれないけれど…。

噛めば噛むほど味が出る、でも今が旬な演目

全体の展開を把握した上で繰り返してみることで、板の上にいるのが俳優の方々なのか、ヴェローナの街の人々なのかを整理しながら見ることができるし、各人物を演じている俳優(の役)の方たちが同じ演目を上演するにあたって集まっている中で、発している台詞の裏には本人としてのどんな感情を抱いているのか、そういった部分を味わうのが楽しい演目でした。

「ロミオとロザライン」ポスタービジュアル

ただ、この演目は皇輝くんと作中の北山がどちらも初舞台・初主演であり、与えられた初めての機会に対して猪突猛進で向き合って挑もうとしている「今」だからこそ、味わうことができた空気感が、重要なスパイスになっていたなぁと思う部分もあるので、そのままのキャストで再演されることはないんじゃないかなぁと思っています。あと、Dヲタで風間担の私としては、あのシーンやあのシーンで使われている背景画像が思いっきりアレなので、もしかすると映像化も難しいのでは…と心配しております。ただ、2回目の観賞だった、とある平日ソワレには何台か映像撮影用の立派なカメラが入っていたのだよなぁ。ダイジェスト映像なのかなぁ。

この作品で初舞台を踏み、公演中に1つ歳を重ねた川﨑皇輝くん。19歳になった彼に会えるのはサマステ初日の予定なので、主演舞台の上演を乗り越えて「少年忍者」の一員としてアイドルなステージに立つ姿を見られる日も、次の舞台作品への出演も今から楽しみにしています。未来あるジャニーズJr.に幸あれ!