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世界のディズニーリゾートと風間俊介さんが大好きすぎて、2018年にJGC修行を決行。お気に入りのコスメや美味しいものについても語ります。イエベ春、骨格ウェーブ(プロ診断)です。

上質なエンターテイメントが凝縮されていた『THE BOY FROM OZ』6/25(土)昼公演の感想

観劇予定が詰まりに詰まっていた6月ですが、締め括りとなった作品が(私が大の苦手とする)東急シアターオーブでの『THE BOY FROM OZ』でした。25周年くらいのタイミングで「ライブがあったら行きたいから」という理由でV6のFCに入会し、昨年の11月以降はトニセンのFCにスライド入会。

V6のコンサートに入ったのはgrooveの福井公演が最初で最後になってしまいましたが、実は坂本くん出演舞台にはグローブ座や青山劇場など、これまでにもそれなりの演目数に足を運んでいたりします。

『THE BOY FROM OZ』について

まずは今作のあらすじから。坂本くんが主演なことと、全公演キャンセルとなってしまった2020年版でSHOCKのテラニシこと寺西拓人くんが演じる予定だったグレッグを、Aぇ! groupの末澤誠也くんが演じる、ぐらいのキャスティングしか把握していなかったので、会場へ赴く2日前くらいにあらすじを読んで「え?ドリボ?」となったことを白状します。

抜群の音楽センスを持つピーター・アレン(坂本昌行)は、その才能を見守る母マリオン・ウールノー(今陽子)の心配をよそに、スターを夢見てオーストラリアの小さな田舎町を飛び出した。友人とコンビを結成し人気が出ると、ある日出演した香港でのステージが大女優で歌手のジュディ・ガーランド(鳳蘭)の目にとまり、ショーの前座に抜擢される。アメリカへと渡ったピーターは、ジュディの娘ライザ・ミネリ(紫吹淳)と電撃的な結婚を果たすが幸せは長くは続かなかった。ハリウッドで成功し大女優へと飛躍するライザと、仕事が行き詰りつつあったピーター。同性愛者であることも明らかになり2人はぎくしゃくし始め、ついには離婚してしまう。離婚後、ソロで歌い始めたピーターに、新しい恋人グレッグ・コンネル(末澤誠也)と敏腕マネージャー、ディー・アンソニー(宮川浩)がブレーンとして加わり、再び運が向いてくる。次々と夢を実現させ、人生の絶頂に立ったかに見えたピーターだったが、すべての幸福を覆す、ある事実が発覚する……。

あらすじは公式サイトの「STORY」より引用しました。坂本くんが演じるピーター・アレンが実在する人物であることは何となく把握していたものの、洋楽や邦楽を問わず曲名を覚えられないタイプの人間なので、代表曲のタイトルを聞いてもあまりピンとは来ておらず…。

『THE BOY FROM OZ』公演ポスター

今作の登場人物において唯一、この人の名前は聞いたことある!だったのは鳳蘭さんが演じたジュディ・ガーランドだけだったのですが、それも『オズの魔法使い』ではなく『イースター・パレード』の方だったりで、彼女のパーソナルな背景については知らなかったので、この記事を書くにあたってwikiで色々と読んで「なるほど???」となっている状態です。

予備知識いらずの圧倒的エンターテインメント

と、そんなこんなで特にこれといった予習をせずに会場へと足を運んだ私ですが、これが自分でも驚くほどに胸打たれましてですね。ピーターが自身の生涯を観客に語りかけるような形式で始まるミュージカルにおいて、本編の展開以上にとにかく坂本くんの歌唱力に涙が止まらなくなりました。私、シアターオーブでこんなに感動したの初めてだと思います。コルム・ウィルキンソンのソロコンサートでも、音響の悪さが残念だった思い出が勝ってしまったというのに…。

あと、ドリボでの印象がアレ過ぎだったお2人の然るべき姿が観られたの、本当に良かった。今年、2幕に戻って本編にもう少し時間を割けるのであれば、既存の演出とか衣装にテコ入れしれくれんかのう、光一さん…。

鳳さん、紫吹さんによるそれぞれの見せ場があったり、その2人と一緒にいるシーンが多かったり、客席に語り掛けるように話を回す場面があったりするからだとは思うんですが、私には坂本くんが時折「宝塚のトップスター」に見えてしまって仕方がありませんでした。だって、客席に目線めっちゃ落としてるんだもん!!その仕草、東京宝塚劇場で見たことある!!

メインキャストはもちろん、アンサンブルも含めて全体的にレベルが高く、また幼い頃のピーターと少し大きくなったピーターを演じている、子役(?)キャストちゃんたちがまたすごいクオリティ!

『THE BOY FROM OZ』ピーター役の子役キャスト

リトルピーターの重松俊吾くんはガブローシュやタム(踊れるガブ、強いな…)、ヤングピーターの日暮誠志朗くんは『ピピン』や『ビリー・エリオット』への出演経験があり、若くして大作の数々に出演しているだけあって、めちゃくちゃ堂々としていました。特に今作、ピーターたち以外に子役キャストいないから、周囲が大人ばっかりの状況であれだけのパフォーマンスをしているというのが本当にすごいなぁと思いながら観ていました。

最も印象に残ったシーン

先述した「坂本くんの歌が上手すぎて涙が出てきた」のはフィナーレ前にピーターが一人きりで歌い上げるソロのバラードナンバーなのですが、私にはその後の白衣装でのフィナーレが堪らなかった!!!あ、ということで、この先はちょっとネタバレ入ります。

『THE BOY FROM OZ』上演時間

最愛の恋人を失い、自らが輝いていた時代は過去のものとなり、近しい理解者は自分から離れてしまい、その後…とどんどん悲しさに拍車を増して人生の終わりへと向かっていくと思いきやの、出演者総出演の超絶明るく賑やかなフィナーレ!ですよ!

白い衣装と主人公の死をもって終結するという展開と演出でいえば、『Endless SHOCK』とも重なる部分が多いにあるのですが(脳内で階段上からコウイチ出したいなと思ったのは内緒)、OZのフィナーレは曲調もダンスもスーパー明るくてエネルギッシュ!!!!で、その底抜けの明るさが私にはジャニーさんがよく言っていたとか何とかで耳にしたことがある「悲しい時ほど明るく笑顔で」みたいなことに見えてしまって、この弾けるような楽しい気持ちにさせてくれているショーこそが、生涯エンターテイナーでありたいと願ったピーターが最期の姿として観てもらいたいものなんだなと思うと、その対比と温度差にぶわぁぁと鳥肌が立ちまして…。

私、いわゆる「演出:ジャニー喜多川」のトンチキ演目(言い方w)って、実際にジャニーさんが手掛けていた当時に特に何も触れていなかったはずなんですが、あのクロージングの仕方にものすごくジャニーイズムを感じてしまって、ボロボロに泣いてしまいました。悲しい時間を、そうと思わせないようにしている笑顔が大好物なんだな…。だからこそ、2018-2019のカウコンよ永遠なれと思ってる節もあるし。

今回、シアターオーブにデジチケで入場するという、とんでもなく緊張感のある現場でしたが、幸いにも全体が見やすく音響の悪さも気にならない位置から見られて、あの劇場でも本当に実力ある人たちと完璧に構築された演出なら、ちゃんと泣けるんだな…と気付けたのも良かったです。

この作品で6月の現場納めだったので、3か月ごとの現場を振り返る記事も忘れないうちに更新したいところ。7~9月はコンサートの予定が複数あるので、そちらもまた楽しみです!